ワンちゃんをお家にお迎えして予防医療が一通り済むとお家のお外に出る機会が増え、お外で初めて経験をすることがだんだんと増えていくことと思います。今回はワンちゃんの初めて経験する事の中でトリミングについてお話させていただきたいと思います。
【目次】
グルーミングとトリミングの違いについて
グルーミングとは全身の手入れをして体を清潔に保つことで健康管理などの目的で日常的におこなうお手入れを指します。またトリミングとはワンちゃんの被毛をカットしてきれいに整えることを指します。
初めてトリミングを利用するにあたって
●練習とケアが大切
子犬期や初めて利用のお店や成犬期~の初めてのグルーミング、トリミングは出来栄えよりもケアと練習がメインとなります。早い時期からトリミングやグルーミングに慣らせておくのはとても大事なことです。体のケアは日々の健康管理においてとても重要な習慣です。家族以外の人に体を触られること、体のどこを触られても落ち着いていられるように経験を重ねていくことは介護や闘病などへの備えとしても大切なことです。そのためお家での日々のお手入れもとても大切です。お家でリラックスしている際に体をなでたりして足先や耳、お顔等体の敏感なところを少しづつ触りなでられたり触られたりすることを慣らしていくことが重要です。また、体をブラッシングされることを苦手にしている子もなかにはいます。そのためこちらもお家でリラックスしているときなど様子を見てまずは短時間から少しづつブラッシングにも慣れていくことも大事です。トリミング、グルーミングをおこなう際には他にもいろんな作業があるため時間をかけて少しづつ慣れてもらう必要があります。ですが、飼い主さんがサロンの利用で求めることは愛犬の経験やケアがメインではなく見た目の可愛さが優先されてしまうことがあります。そのためまずはワンちゃんが初めての場所に慣れること、また初めての作業に慣れること等まずは見た目の可愛さよりも生活していくための機能的なカット、ボディケアに慣れるための練習、被毛のダメージにならないトリミングを検討してあげましょう。カット内容などについてはトリマーさんとしっかりお話をして検討してあげましょう。
●初めてのトリミングに完璧を求めない
ワンちゃんの性格も様々です。明るい子、やんちゃな子、大人しい子、マイペースな子‥などそのためトリミングのやり方もその子によって様々です。すべての子が最初から完璧にトリミングをできるわけではありません。その子が恐怖やトラウマなどとトリミングする行為を解釈することの無いように無理せず楽しく行うことがトリミングに求められることだと思います。例えばカット犬種のワンちゃんですと顔にハサミがくることに慣れてもらう必要があります。他にもトリミングの工程には慣れてもらう要素がたくさんあります。
一例
●バリカンの音
●爪切りの音、振動、切られる感触
●ドライヤーの音
●体を触られる
●シャワーの音 ‥など
初めて体験する新しいことがたくさんあります。一つ一つの経験をトリマーは丁寧に行う必要があります。そしてできない事が当たり前が大事です。今回できなかったことは特に少しづつ慣れてもらうために無理をしてはいけません。時間をかけて少しづつすすめていくことが重要です。
お家での愛犬のカットについて
お家で愛犬の毛が伸びてきて気になったことや毛玉が少しできてしまったなんてことはありませんか?そんなときにお家でお手入れをされる方も多いのではないでしょうか。お家でお手入れをする際に必要な物や使用時の注意事項についてご説明させていただきます。
準備するもの
●スリッカーブラシ
体をブラッシングする際に使用します。スリッカーブラシは大きさもいろいろありハードタイプとソフトタイプのものがあります。クッション性のある大きなソフトタイプのものを選びましょう。こちらは毛玉を解くのに必要になります。
●コーム
スリッカーブラシで毛玉をほぐした後にコームを入れると毛玉の有無をチェックしやすくなります。コームの半分でピンとピンの隙間が小さいものと大きなものがあるものがあります。
●ハサミ
ハサミはどこのご家庭にもある工作用のハサミを利用するのはやめましょう。工作用のハサミは刃と刃の隙間が大きかったり切れ味が悪かったりと人の髪の毛よりも細い犬の毛を切るのには適していません。最近ではホームセンターなどでもカット用のハサミを扱っているところもあります。そのような犬のトリミングに向いている物を用意してください。売り場に行くとハサミも種類があると思います。5インチ程度の大きさのボブばさみと片方の刃が櫛状になっているスキバサミがあるといいと思います。
●バリカン
足裏の伸びた毛を刈るのに適しています。ハサミを使用して足裏の毛を切るよりバリカンを使用する方が安全度は高いです。もちろんどちらも刃物なので扱い方によってはどちらも危険性は変わりませんので使用時には注意が必要です。ミニバリカンは刃も小さく小回りも効きますので足裏をカットするのに最適ではないでしょうか。
●レジャーシート
切ったワンちゃんの毛がとぶので掃除しやすいように周りに敷いて使います。なければ新聞紙でもいいと思います。
●作業用テーブル
作業用のテーブルがあると作業がしやすくなります。トリミング専用の台を使用するのがおすすめですが専用の台を用意できない場合に腰の高さほどの台を用意して行うことは避けてください。ワンちゃんの急な動きにすぐに対応できるように立ってトリミングができることが理想です。また、台が滑りやすいときは滑り止めのマットを敷いてあげると良いでしょう。
お家でカットをおこなうときの注意点
作業を行う際にはワンちゃんの動きに注意する必要があります。また作業中になるべくストレスを与えないように注意する点がいくつかあります。
●動物病院が開業している時間に作業する
万が一に備えて動物病院の診察時間内にトリミングをおこないましょう。ハサミなどでケガをしてしまう可能性があることも念頭に置いておくことが重要です。
●嫌がる子に無理におこなわない
作業を嫌がるには様々な理由が考えられるのですが一つ一つ解消していくには時間が必要となりすぐに解消するのはとても難しいことです。ワンちゃんがどうしても嫌がってしまう場合は無理をしないほうがいいでしょう。
●カット中に大きな音を出さないようにする
カット中はハサミやバリカンといった刃物を使用するので突然の動きはケガの元になってしまいます。ワンちゃんは音の方向に動いてしまうことが多いので余計な音が鳴らないように注意が必要です。
●飼い主さんも注意
ハサミやバリカンを使用しての作業となりますので飼い主さん自身のケガにも注意が必要です。
さいごに
初めてトリミングをおこなうワンちゃんについてほんの少しではございますがご紹介させていただきました。最初は初めての体験がたくさんあり最初からすべての作業に慣れるという事はなかなか難しいことです。その子その子にあったそれぞれのペースで時間をかけできることを増やしていけることが大事ではないでしょうか。そのためにはお家でもご家族の方にご協力いただくこともとても重要になります。トリミングの利用を検討している方の参考にしていただけましたら幸いです。