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手乗りインコの育て方・セキセイインコ編

SNS上ではセキセイインコや文鳥・大型インコなど小鳥に関する動画や画像が溢れていることからも小鳥の人気ぶりがうかがえます。おしゃべり上手なセキセイインコや輪投げが得意なウロコインコなど、芸達者なインコ達にいつも驚かされ 、癒されている方は多いと思います。これらのインコ達はみな、お部屋の中で自由に遊べる『手乗り鳥』とか『コンパニオンバード』と呼ばれる人慣れした鳥達です。そこで今回は、動画のような手乗りセキセイインコを育てみたいと考えている方に、これまでに多数のヒナを仕入れ『手乗りセキセイインコ』として販売してきた経験から、私なりの育て方をご紹介いたします。

 

 

【目次】

1.セキセイインコとはどんな鳥?

2,手乗りセキセイインコの魅力

3.健康なヒナの選び・5カ条

4.ヒナの育て方

5.手乗りに育てるための条件&3カ条

6.性別の見分け方

7.羽は切ったほうが良いの?

8.過去に入荷した記憶に残る鳥

9.最後に

 

1.セキセイインコとはどんな鳥?

分類:オウム目インコ科セキセイインコ属

原産地:オーストラリア内陸部

乾燥地帯の草原や開けた森林などで群れて生活

全長:18~23cm・体重30~40g

寿命:およそ8~12年

和名のセキセイインコは漢字で表記すると『背黄青鸚哥』となります。これは、背中が黄色と青(緑ですが青信号と同じ理屈でしょうか)が名称の由来と言われています。

食性:主にイネ科植物の種子※昆虫を食べることもある

 

2.手乗りセキセイインコの魅力

ペットとして人気の犬や猫・ウサギやハムスターなど、どの動物も触れ合えることでより愛情が芽生え、愛おしい存在となっていると思います。小鳥の場合も飼い主との信頼関係が築ければ、手を差し出せば乗ってくれたり、手の平に包みこんで頭をなでたり、触れ合うことができるようになります。特にセキセイインコは人なつっこく ものおじしない性格で、手乗りとして古くからポピュラーな小鳥です。また、おしゃべりを覚える鳥も多いので、至福の喜びを飼い主に与えてくれるはずです。

 

3. 健康なヒナの選び・5カ条

① 動作が機敏であるか 

健康な鳥は活発で、動作には機敏さがあります。一方、目を閉じてジッと寝ている個体は体調を崩している可能性があります。

② 手に乗せた時、ずっしり感はあるか

エサをよく食べ順調に発育している個体は肉付きも良く、手に乗せた時にしっかり重みを感じます。一方、食欲が細い個体や体調不良の個体は体格に対して軽く感じられるはずです。

③ お尻は汚れていないか

健康な鳥のお尻は きれいなのが普通です。汚れている場合は感染症などが原因で、下痢をしている可能性があります。

④ 指と爪をチェック

インコの脚は対趾足(たいしそく)と呼ばれ、前2本、後ろ2本の計4本です。他の鳥にかじられたり,物に挟まったりして、指や爪を失っている場合があるため確認します。

⑤ 両脚に踏ん張りはあるか

両脚が開脚して自力で起立できない先天的な病気(偏った食事による親鳥の栄養不足が主な原因と言われている)があります。孵化後3週間未満の個体では分かりずらいですが確認します。

以上、5つのポイントを挙げましたが、分からない場合は、お世話をしている店員さんに直接聞きましょう!

 

4. ヒナの育て方

【飼育用品】

・プラスチックケースまたは升カゴ

寒い時期は保温性の高いプラスチックケース、暑い時期は通気性の良い升カゴが向いています。サイズは保温器具が入れられる大きさのものを選びます。 

・保温器具

寒い時期は必需品です。パネル型や電球型などがあります。※温度調節機能はありません 

・温度計

保温器具を使用する場合は 必ず温度計により温度を確認します。保温器具に温度調節機能は無いため、充分に温められていなかったり、逆に暑くなりすぎているとヒナの命に係わります。こまめに実際の温度を確認してください。 

・インコ用スプーン

食事を与えるときに使用します。インコ類にはスプーン、フィンチ類にはスポイトを使用するのが一般的です。

・アワ玉

ムキアワに卵やハチミツなどが添加された栄養価の高いフードです。おもに成長期のヒナ鳥や育雛中の親鳥に与える特別食。

・ペレット(パウダーでも粒でも可)

栄養素がバランスよく配合された総合栄養食。アワ玉だけでは たんぱく質やその他の栄養素がやや足りないため、ペレットで補います。また、アワ玉はお湯でふやかす際に栄養素が流れ出てしまうためペレットを混ぜ栄養素を補う必要があります。

・床材(ペットシーツ)

排泄物により体が汚れるのを防ぐため、ペットシーツやキッチンペーパーなどの吸水性の高いものを使用します。挿し餌時のヒナのフンは水分量も多く汚れるため床材は毎日新しいものに交換します。

・キッチンスケール

体重を測るのに使用します。最小表示1gのものがおすすめです。

 

【適温】

・28~32℃ ※ヒナ鳥の場合(成長するに従い温度を下げてゆきます) 

セキセイインコの体温はおよそ41~42℃。このため、特に羽毛が生えそろっていないヒナの場合は充分な温度管理が必要です。温度が足りないと食欲の低下や食滞、消化不良による下痢など、体調を崩す原因になります。ちなみに下の写真は、当店で一度に生まれた7羽のヒナ達です。巣立ち前のヒナは、狭い巣箱の中ですし詰め状態で互いに温めあい体温を維持しています。

 

【食事】

ヒナは自分でエサを食べられないため、飼い主が親代わりに食べさせてあげる必要があります。このことを『挿し餌(さしえさ)』と言います。挿し餌は1日3~4回くらいの頻度が一般的です。挿し餌の間隔は、そのう(首元にある食べたエサを一時ためておく消化管の一部)を触り、前回食べたエサが残っていないことを確認して与えます。※そのうに前回のエサが残っている状態でさらにエサを与えると、食滞やそのう炎の原因になるので注意してください。

1.アワ玉に熱湯を注ぎ、ラップをして10~15分ふやかします。

2.余分なお湯を捨て、指で温度を確認します。※お風呂(40℃)ぐらいが適温

3.温度を確認したらペレットを混ぜます。※パウダーを使用する場合、濃度の目安はコーンポタージュくらいです。

4.  手乗りスプーンの先端にエサを乗せ、45度くらいに傾けてヒナの口元に差し出します。 健康なヒナであれば勢いよくカツカツと食べてくれます。

5.  4を繰り返して、エサを欲しがらなくなるくらいまで与えます。

6. 最後に、そのうを人差し指と親指でやさしく触れて、しっかり食べているか確認します。

孵化後25日を過ぎたころから、床にエサを撒く『撒き餌さ』やアワの穂を与え、一人餌(自力でエサを食べられるようになった状態)になるよう促します。その後、一人餌になっているか判断するため、鳥をよく観察します。まず、床に撒いたエサをついばんでいるか?また、食事前にそのうを触りエサを食べて膨らんでいるか?さらに、体重を測り順調に増えているか?これらがすべてクリアできたら、挿し餌を卒業し一人餌に切り替えます。

 

5. 手乗りに育てるための条件&3カ条

条件

必須条件と言っても過言でないのは、子育て中の親鳥から警戒心の弱いヒナ鳥のうちに取り上げられている(巣上げと言います)鳥であることです。通常ペットショップで売られている鳥はこの条件をクリアしています。ただし、巣上げが遅れた場合など警戒心が強くなったヒナは、手が近づいただけでギーギーと怖がる鳥もいるので良く観察してください。

ここからは、よりよい手乗りに育てるために当店で実践している3つのポイントをご紹介いたします。

①個別飼育

当店では巣上げ(孵化後15~20日)した時からプラケースに1羽づつ分けて飼育を始めます。これは、鳥同士の関係を遮断(可哀そうですが…)することで、人に対する依存度を高めるのに非常に有効です。1羽飼いの鳥が良く慣れるのはこのためです。複数羽を同時に購入される場合は参考にしてみてください。

②動作はゆっくり

大抵の鳥達は、人の素早い動きや予期せぬ動きを非常に嫌い怖がります。飼い主がこの行動を続けていると、信頼関係は築けず鳥に嫌われてしまいます。このため私は、鳥と接するときは努めてゆっくりとした動作を心がけています。手に乗せる時はもちろん、餌の交換や掃除の時も常に意識しています。このポイントは非常に大事なポイントになりますので、ぜひ実践してください。

③スキンシップ

ヒナの時期は狭くて暗い場所に潜り込もうとします。この習性を生かし、手の平を少し丸め近づけると ヒナがそこに潜り込んできます。この状態のままジッとしているとヒナは手の中で眠ってしまいます。安心して眠っているヒナの体は力みが取れて『ふにゃふにゃ』に(笑) これを毎日続けていると、ヒナは手の平に包まれるのが大好きになってくれます。このような状況になったヒナは、手を差し出せば自然に乗ってくれると思います。さらに、手の中で眠っている時に、クチバシからホホ、頭の順でやさしく撫でてあげてください。最初は嫌がるかもしれませんが毎日繰り返していると、突然、顔の羽を膨らませてくれるようになります。この行動は、飼い主を信頼してくれたことを意味しています。

セキセイインコはとても賢いので、家族一人一人を容易に認識し区別しますので、嫌がることや怖い思いをさせると嫌われてしまいます。繰り返しになりますが、驚かせないよう動作は努めてゆっくりが基本です。

6.性別の見分け方

クチバシの付け根にあるぷっくりと膨らんだ部分を『ろう膜』と言います。このろう膜の色で性別を見分けられます。

写真① 生後10か月のオス

写真② 生後10か月のメス

写真③ 生後2か月のオスとおもわれるインコ

写真④ 生後2か月のメスとおもわれるインコ

写真①が若いオス、写真②が若いメスです。写真でも分かるとおりオスのろう膜は鮮やかな青色で、メスは不透明な白色になります。ただし、このように容易に判別できるようになるには若鳥と呼べるくらいに成長していることが条件となります。ヒナ鳥のろう膜はオスでもメスでも同じようなピンク色をしているため判別は非常に困難なのです。このうち特に間違いが多いのが、ヒナの時にオスと判断したが実はメスというケースがほとんどで、逆のケースはほぼありません。写真③の実物のろう膜はもっと赤紫色をしているためオスだとおもいますが、この状態から白さが出てきて写真②のようになることもあるので経過観察が必要です。写真④のインコですが、鼻のまわりがやや白っぽいのがわかるでしょうか?メスはこの白い部分が徐々に広がってくるのでその時点で確定します。※ルチノー(メスが多いと言われています)やハルクインなどはオスでもブル―にならず透明感のあるピンクになります。

7.羽は切ったほうが良いの?

羽を切る理由 

羽を切る(クリッピング)理由はただひとつ、飛んで逃げられないためです。「大切なインコちゃんが逃げてしまった」という話はよく聞きます。確かにクリッピングすることで最悪の事態は避けられます。しかし、飼い主ができる逃げられないための対策はクリッピングだけでしょうか!? 放鳥時に部屋のすべての窓とドアを確実に締め切れば防げることではないでしょうか。 それでは次はにクリッピングのデメリットをご説明いたします。

クリッピングのデメリット

インコにとって飛ぶことが最大の運動です。羽を切られたインコはよちよちと歩いて移動するくらいしか運動できません。一方、目の前にはいつもおいしい食事を好きなだけ食べられる状況です。その結果、運動不足と肥満から健康を維持できなくなります。特に心肺機能の低下した鳥は、驚いてバタバタと暴れた後 など、口を開け胸で大きく呼吸する様子が見て取れます。このような状態の鳥は、夏の熱さや冬の寒さに耐えられないためより慎重な温度管理が必要になりますし、他の病気に対する抵抗力も落ちてしまいますので、クリッピングは慎重にご判断ください。

8.過去に入荷した記憶に残る鳥

わずかに残るさざ波模様とパステルイエローが印象的で、加えて腰部のパステルブルーも美しい大変魅力的な個体でした。

 

パステルカラーレインボー系の鳥ですが、全体的により淡い体色により ひと際目立った個体でした。パステルブルーも他にはない色合いで、成鳥時の羽色がどのようになったか興味が尽きない魅力的な鳥です。

 

 

不動の人気を誇る品種ライラック。その希少性から価格もナンバーワンですが・・・。 体色は名前の由来であるライラックカラー(淡い藤色)と頭部のホワイトのコントラストが見事な品種です。

 

こちらはジャンボセキセイインコのファローです。珍しい品種に加え頭部の張りも良い美男子! 過去にこの1羽だけ入荷した珍品種です。

 

ポピュラーで入荷頻度の多いパイド種ですが、この鳥は均整のとれた色の入り方で、誰もが美しいと思う大変見事な個体でした。いま見ても美しい!!!

 

羽の巻きも良いスパングル模様の羽衣セキセイインコ。腹部が渋めのダークグリーンが印象的な鳥でした。写真は凛々しさが伝わるベストショット!

 

初めてみた時 大変衝撃を受けた鳥です。パイド系の品種だと思いますが正確な品種名は分かりません・・・。クリームイエローの背部とややグレー味を帯びたブルーのコントラストが美しい鳥でした。

 

珍しいクリームイノ品種。全身無地で濃淡のあるクリームイエローを身にまとった大変美しい鳥でした。パッチリ眼と淡い羽色で、写真でもわかるとおり可愛さが際立つていましたよ!!

この威風堂々とした立姿!ジャンボらしい多数のスロートスポットが目を引く美男子でした。体系は大型でしたが、今見るとややおでこの張りは甘いかな~。でも、ペットショップでみられるジャンボセキセイの中ではトップクラスの良鳥です。

さざ波模様が淡色のイエローウィング系の美しい個体。昔は見かける機会が多かったように思いますが、最近は流通量も少なく珍しい品種のひとつです。本個体はパッチリ目がキュートで、成鳥時はさぞ美しい鳥になっているのではないでしょうか。

古い画像の中から見つけたとっておきの1枚!。全身頭部を中心に極わずかにイエローが入るので、クリームイノでしょうか?目の色を確認できないので同定できません・・・。当時の記憶がないのですが、今見ると鳥肌ものの極美個体です!!

背部のライトグリーンが目を引く大変綺麗なパステルカラーレインボー。このタイプは某問屋の自家繁殖の個体で、年に数羽入荷する程度の希少なタイプです。

4色ハルクイン系ですが、淡い背部のさざ波模様が特徴の個体。再度の入荷が待ち望まれる珍しい品種です。

一般的なパステルカラーレインボーの鳥ですが、どこか心に訴えかける魅力を秘めた鳥でした。頭部のイエローが強く、また、均整の取れた背中の柄のせいでしょうか⁉

品種としてはパイド系でしょうか? 翼はほぼ色抜けしたホワイトが印象的で、胸部と腰部にはブルーグレーの色が入ります。このような色パターンの鳥は見かけないので今後も出会えるチャンスは少ないでしょう。

 

 

 

8. 最後に

家族の一人一人を容易に認識し区別するくらいセキセイインコはとても賢い鳥で、信頼関係が築けた人に対してはとてもとても慣れてくれます。また、おしゃべりや芸当を覚える鳥も少なくないため、セキセイインコとの生活は我々の心を癒しより豊かなものにしてくれるはずです。では最後になりますが、ここまでお読みいただきありがとうございます。これからインコを飼ってみたいと考えている方に少しでもお役に立てれば幸いでございます。

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