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犬の換毛期 「夏毛」と「冬毛」について

ご存知の方も多いと思いますが、犬には換毛期という毛が大量に抜ける時期があります。
換毛期についてお悩みをお持ちの飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそんな換毛期について、時期やお手入れ方法などお話していきたいと思います。

 

1 犬の換毛期とその時期について

犬の被毛が生え変わる時期を「換毛期」と呼び、春と秋の年に2回
大量の毛が抜け落ちたり新しい毛が生えたりする時期を迎えます。
換毛の時期や期間は犬種差・個体差があり、地域や日照時間・気温にも影響を受けるとされているため
全ての犬が一斉に換毛期になるというわけではありません。
一般的には春から7月頃にかけてと、秋から11月頃にかけての間に約1ヶ月続くとされています。

2 換毛期はなぜ起こる?

犬の換毛期は、人間に例えると衣替えにあたります。
春の換毛期は冬毛が抜けて「夏毛」が生え、その反対に秋の換毛期では夏毛が抜けて「冬毛」が生えます。

「夏毛」と「冬毛」には以下のような特徴があります。

夏毛

細くて短い 通気性がある 冬毛ほど密集していないのですっきりした印象

冬毛

長い 密集して生えている 保温効果がある 量が多く長いのでふわふわした印象

犬は夏毛と冬毛を生え変わらせることで季節ごとの気温や湿度の変化に対応しています。

 

3 換毛期のある犬・ない犬

ここまでお話ししてきた換毛期ですが、実はすべての犬にあるわけではありません。
犬には「オーバーコート」と「アンダーコート」の2種類の被毛があり、働きや特徴は以下の通りです。

オーバーコート(上毛) 紫外線などの外部刺激から皮膚を守る働きがある 硬めで太い毛
アンダーコート(下毛) 保温や体温調節の役割 細くやわらかい毛

2種類両方の被毛をもつ犬は「ダブルコート」、オーバーコートのみをもつ犬は「シングルコート」と呼ばれます。
このうち、換毛期があるのはダブルコートの犬種で、シングルコートの犬種は1年を通して徐々に被毛が生え変わるため
明確な換毛期というものはありません。

ダブルコートの犬種例

チワワ ダックスフンド ポメラニアン シーズー フレンチブルドッグ 柴犬 コーギー ボーダーコリー ラブラドールレトリバー ゴールデンレトリバー 秋田犬 など

シングルコートの犬種例

プードル ヨークシャテリア マルチーズ イタリアングレイハウンド ミニチュアピンシャー など

同じダブルコートでも犬種により抜け毛の量は大きく異なり、シーズーは抜け毛が少なく、シュナウザーは換毛期がないといわれています。
反対に、柴犬などの日本犬やゴールデンレトリバーは抜け毛が特に多い犬種です。

個体差もあるので犬種だけで一概には言えませんが、お手入れの頻度などの参考にしてみてください。

 

4 室内犬の換毛期のズレについて

ダブルコートの犬種でも「気温の変化を感じにくい生活」「日照時間不足」が原因で
真冬や真夏に入ってから換毛が始まるなど、換毛の時期が乱れるケースや換毛が曖昧に終わる、まったく換毛しない、といったケースも見られます。

必要な時期にきちんと換毛しないことにより
暑い季節に冬毛が残ってしまったり寒い季節に冬毛が生えない事で体温調節が難しくなってしまいます。

夏場は特に皮膚が蒸れることで皮膚トラブルの原因にもなり得るので、適切な時期に換毛を迎えることが大切です。

対策としては、毎日散歩に連れていくなど積極的に外気に触れさせ、季節の変わり目を感じさせることが挙げられます。
また、夜は電気をつけっぱなしにせず、朝は日の光を浴びせるなど、体内時計が正しく動くように心掛けると良いと思われます。

 

5 抜け毛の注意点

換毛期の抜け毛に限らず、カーペットなどについた抜け毛を放置するとダニの温床になる可能性があり
ふわふわしたアンダーコートはハウスダストの原因にもなります。
人だけでなく犬もアレルギー症状を引き起こす可能性があるので、こまめな掃除が必要です。

また、犬の体表に抜け毛を残したままにすると、毛が絡まって通気性が悪くなるため雑菌が増殖しやすくなり
皮膚炎になってしまう可能性があります。
換毛期はもちろん、日ごろからのお手入れが欠かせません。

激しい抜け毛は皮膚疾患や内分泌疾患、ダニ・ノミ・シラミなどの寄生虫の侵入や栄養不足、アレルギー反応などによる脱毛の場合もあるので十分な注意が必要です。
もし換毛期でないにもかかわらず大量に毛が抜けるなどの異常が見られたり、少しでも気になる点がある場合は
動物病院での受診をおすすめします。

 

6 抜け毛対策・お手入れについて

換毛期の抜け毛対策としてだけでなく日ごろからおすすめしたいお手入れについてご紹介します。

ブラッシング

抜け毛対策として最も基本的な方法はブラッシングです。
ブラッシングすることにより体表に残っている抜け毛を取り除き、蒸れを防ぎます。
さらに、ブラッシングは毛の生え代わりと血行の促進になるので、換毛の有無に関わらず健康な被毛のためにも日ごろからのブラッシングを欠かさないようにしましょう。
こまめにブラッシングすることで抜け毛が減りやすくなるとも言われています。

ブラッシング時には被毛に合わせた道具を使いましょう。
長毛種はスリッカーブラシやピンブラシ、コームなど
短毛種はシリコンブラシなどが適しています。
ブラッシングの際にグルーミングスプレーを使うと被毛のケアに加え静電気を抑えることができるのでおすすめです。

また、ブラッシングは過度な刺激に注意してやさしく行いましょう。

シャンプー

シャンプーをすることも抜け毛を取る方法として有効です。
もちろん皮膚を清潔にすることにもなるので、定期的に行うと良いでしょう。
洗いながら皮膚の状態をチェックできるのも良い点です。

冬毛の時期は毛が密集しており地肌までお湯が行きわたりにくいので、しっかり洗うことを心掛けましょう。
また、皮膚トラブル防止のためにもシャンプー後はしっかりと水気を取ることも忘れないようにしましょう。

ただし、過度なシャンプーは皮脂を奪って乾燥を招きます。
常に皮膚の状態を把握し、シャンプーはその子にあった頻度で行う事が大切です。

 

サマーカット

主に長毛の犬の毛を短くカットすることをサマーカットといいます。
抜け毛の量が減るわけではありませんが、毛を短くすることによりお手入れがしやすくなります。
ただし、紫外線などの刺激が直接肌に届きやすくなるなどのデメリットも把握しておきましょう。

 

服を着せる

抜け毛が舞い落ちることを防げるうえ、寒い時期は保温にもなります。
暑い時期は通気性の良い素材やひんやり感が得られる素材の服を選ぶと良いと思われます。
服は着せっぱなしにせず、定期的に被毛や皮膚の状態をチェックしましょう。
また、犬が服を嫌がってストレスを感じていないかきちんと見極めることも大切です。

 

7 さいごに

どんな犬種も換毛期に限らず、ブラッシングやシャンプーなどのお手入れが必要となり
お家でのお手入れは犬とのコミュニケーションにもなります。

また、換毛期の無いシングルコートの犬種でもお家で出来ないお手入れを行う為に
定期的にトリミングサロンのご利用をおすすめします。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
少しでも参考になればと思います。

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