犬の中では世界最小と言われ小さな体に大きな目、愛くるしい仕草で皆さんを魅了する犬種チワワ。
「国内で飼われている犬の種類」昨年の結果は1位トイプードル、2位チワワ、3位ミニチュアダックスフンドと2番目に多く、その人気も納得です。
性格は「ワンオーナードック」と呼ばれ、複数人のご家族だと、その中で1人を決め、また基本的に神経質で繊細な性格により、決めた1人以外の人には冷たく厳しく当たってしまう子もなかにはいるそうです。
もちろん、みんなに優しく甘えん坊という子もいるので、どんな子でもその子の個性、飼い主様にとっては愛くるしくてたまらない大切な存在である事には変わりありません。今では様々な毛や色が違う子がいますが、大きく分けると短い被毛「スムースコート」、長い被毛「ロングコート」の2種類に分けられます。
今回はトリミングをご利用の多いロングコートチワワについてお話させて頂きたいと思います。
1.被毛について
チワワはダブルコートといってアンダーコート(下毛)とオーバーコート(上毛)の2層の毛で覆われています。
上毛は1年中生えている太く硬い被毛で、被毛が生え変わる時期(換毛期)には毛が抜け落ちるのでブラッシングが必要です。
チワワは一定の長さで毛が伸びなくなります。また抜け毛の量が多く、毛の生え変わるサイクルが早い為、ブラッシングやシャンプーなどのお手入れが必要です。
2.チワワのカットは必要?
チワワは本来トリミング犬種ではなく、グルーミング犬種で、足先周りを整えるくらいでカットをしなくても良い犬種です。
しかし、毛を短くする事のメリットもあります。トリミングを視野に入れる際にはメリット・デメリットを理解した上で判断してください。
<メリット>
・体に熱がこもりにくくなる
・ブラッシングが楽になる
・汚れが付着しにくくなる
・蒸れや汚れが原因の皮膚病になりにくくなる
<デメリット>
・紫外線やエアコンの冷風などの刺激が直接皮膚に届きやすくなる
・寄生虫や物理的刺激による傷の危険が高まる
・季節や環境によって体が冷え過ぎてしまうことがある
・元のような毛が生えてこなくなることがある
などが挙げられます。
愛犬にカットは必要なのか、メリット・デメリットをよく比較して考えてみてください。
カットした際には必要に応じて犬用の服を活用するのも良いと思います。また、カットには成犬になり毛が生え揃ってからがおすすめです。
3.トリミングによる毛質の変化
トリミングのデメリットで挙げた通り、中にはトリミング後に元のような毛が生えてこなくなる子もいます。
ゴワゴワの毛になったり、細長い毛がまばらに生えてきたり、全然生えてこなかったり…変化は一時的だったり、変わったままだったり、全く変わらない子もいます。
長めのバリカンにしたり、バリカンで刈らずにハサミで切れば毛質が変わらない場合もありますが、毛質の変化はわんちゃんによって違うので予測できません。カットをお考えの際は、よく考えてから判断する事をおすすめします。
4.シニア犬のトリミング
汚れやすい箇所は、毛を短くして清潔に保ちましょう。
シニア犬はトリミングをすることが負担になる為、普段からお家でブラッシングをしてあげましょう。もしトリミングをする場合はわんちゃんに負担のないカットの仕方を選ぶ事をおすすめします。
5.カットスタイル
・サマーカット
全身の毛を短くして、スムースコートチワワのようにするカット。耳やしっぽの毛は好みによって残すこともできます。
・ライオンカット
首周りの毛だけを残してたてがみのようにするカット。先だけふわっとしたしっぽがポイントです。
・飾り毛カット
胸や足、お腹の下、お尻の毛をハサミで整えるカットです。あまり雰囲気を変えたくないけど、スッキリさせたい!という方におすすめです。
全身カット以外のお手入れ
足裏、肉球の間から生えている毛が伸びていると汚れやすかったり、フローリングで滑るので定期的なカットをオススメします。
・肛門周り
便が付くのを防ぐために定期的なカットをおすすめします。
・お尻
肛門周りの毛と同様に、便が付くのを防げます。女の子の場合は内股も短くすることによって、尿の汚れも防ぐことができます。
・ヒゲ
基本的にはヒゲは切らなくても大丈夫ですが、目にかかる場合やスッキリさせたい場合は切ると良いでしょう。
・耳の飾り毛、胸元の毛
耳や胸の毛は伸びすぎるとご飯についてしまったり、口に入ってしまうことがあるので、気になる方は少しカットするのも良いと思います。
6.おうちでお手入れ
基本トリミングは不要なチワワですが、肉球の間から出た毛や肛門回りの毛は、短くしておいた方が良いです。
また、お腹周りも同様で伸びすぎると汚れてしまうことがあるので、ある程度の短さにカットすることをオススメします。当店でも出来るのでぜひご利用ください♪
また、毛を長く綺麗に保つためには日頃のブラッシングが必要となります。
ブラッシングは皮膚の健康を維持するだけでなく飼い主とのコミュニケーションの一環にもなります。
トリミングをする際もブラッシングで被毛を整えてからカットをするのでブラッシングはとても大切な事です。
そして、日々お家でブラッシングすることで、トリミングの時間短縮にも繋がりわんちゃんの負担を軽減する事が可能です。
もし、ブラッシングが苦手な子の場合は無理なくしていき、少しでもブラッシングに慣れさせられると良いと思います。
7.さいごに
ロングコートチワワは様々なカットスタイルを楽しむことができます。実用性やイメージチェンジのためだったりとチワワのカットをする飼い主様もいらっしゃることでしょう。
しかし、チワワは元々トリミングが必要な犬種ではありません。そのため場合によっては被毛が元に戻らなかったり健康を害してしまったりと、何らかの悪影響が現れる可能性が少なくありません。
メリットだけでなくデメリットも理解した上でチワワのカットをして頂きたいと良いと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました。参考になれば良いなと思います。